2013年1月13日日曜日

はじめに。



Tell all the Truth but tell it slant—(真実をそっくり語りなさい、しかし斜めに語りなさい―)は、石川卓磨のキュレーションと、外島貴幸、豊嶋康子、箕輪亜希子、吉田正幸の4人のアーティストによるブログのプロジェクトです。
このプロジェクトは、ブログだけで完結するものではなく、今年の12月にタリオン・ギャラリーにて同メンバーでおこわなれる展覧会とともにあります。
ここでは、それぞれの作家のメモや実験、制作過程や意見の交換などを記録していきますが、その目的は展覧会に向けられているというよりも、この中で行われる一つの独立したプロジェクトになります。

この企画に参加する4人に共通しているものとして、自らの作品を制作するときに、絵画や彫刻など美術の伝統的なフォーマットの中で行うのではなく、その都度メディアの開拓と結びつきながら行われるというところにあります。
ブログは、WEB環境さえあれば、いつでもどこでも書き込め、閲覧することが可能です。さらにいうと美術館やギャラリーを訪れる鑑賞者や現代美術のコンテクストに限定されない開かれた場だといえます。
一方でブログのフォーマットは、誌面的な機能を持ちながら、テクスト、写真、ビデオ、ドローイングなど異なるメディアを容易に結びつけ、また、記録や調査のアーカイブ化に長けており、コンセプチュアル・アートで培われてきたメソッドと親和性を持っています。

ブログやYouTubeやUstream、Tumblrなど、Web上で作品を発表することは、最近ではそれほど珍しくはなくなってきました。けれども僕 は、改めてこの4人の作家が、ブログを使ってどのような展開を作り出し、また、それが展示にどのように折り返されるのかに関心があります。これは作家によ る実験のみならず、キュレーションとしてもどのようなことができるのかを考えていけるプロジェクトです。
Tell all the Truth but tell it slant—は、ブログと展覧会の二つのプロジェクトが、独立しながらも共振し広がっていくことを期待し開設されました。





石川卓磨